「伸びる人は、素直で生意気な人」と明確にお答えになりました。
具体的には「素直で純粋で、ただ言うことを聞くだけでは、ダメなのです。私が言う生意気というのは、1を聞いて10にできる力があるということ。
つまり、こう言われたけど、それを越えてやろう、私だったらこうするなといった工夫を入れられるかどうか。ただしはじめは間違えるから注意される。注意されるが、それをバネにチャレンジすることがすごく重要で、ただ聞いているのでは何の意味もない。」
確かに、伸びるスタッフは、言われたことを実行する中にも自分なりの考え方、その考え方に基づいた工夫が入っているもの。言われたことをやっているだけでは、先生や指導者を超えることは出来ない。
それ以上の努力とともに、自分なりの工夫を加え先生や指導者を超えようと思っている人が最終的に伸びるのだと思います。
物の仕組みを知る
しかし、始めたばかりの人にとってみれば、その努力の方向性が合っているのかどうか不安になることもあります。そして、その不安は、何かを習得しようとしたとき、常に湧き上がってくるもので、私も例外ではありません。
その点について、岡本氏は、「ただ素直で生意気というだけで勝手に成長するわけではないので、その後は、物の仕組みを知るということを教えています。
色々情報収集しすぎる人は、参考書を買って満足するタイプ。しかし、本当に重要なのは、その公式の仕組みを知ることであって、さらには、公式は何に使えるのかを教えることの方が重要なわけです。
例えば、売ると言うことは、なんだろうと考えたとき、ものが売れる根本は何なのかを知らない限り、技術だけでは噛み合っていかなくなる。その本質を教えるようにしています。例えば、T・MBHではお客様に行うのはたった一つ。
それは信頼を勝ち取ること。ただそれだけ。つまりお客様にとってのデメリットも伝えなくてはいけないし、欲しいものは何かを真剣に向き合わないといけない。とにかく信頼を勝ちとることだけを行うようにしています。」
岡本氏の話を伺い、努力の方向性に対する不安というのは、実は、この方向であっているのかという不安ではなく、努力をすることだけが目的になってしまっているからでてくる不安である。
情報を得ているだけで、それ以上深掘りすることなく、またそのような自分自身に気づくことなく、勝手に不安になっているだけなのだと感じました。
情報が溢れている現代では、ほんのわずかな情報に振り回され続け、結局情報が意味すること、公式が意味することを追求できず、また新たな情報を求める。気が付かないうちに、このような悪循環に陥ってしまっていることは多いのではないでしょうか?