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Vol.03人生をともに歩んだアイテム、それこそが本物

第3回は公認会計士事務所の代表を務める髙田文浩氏へのインタビュー。
ものに対する気持ちと姿勢・・・それは、大切な気持ちを思い出させてくれる貴重な話でした。

2019/03/04
Vol.03 人生をともに歩んだアイテム、それこそが本物

自分の全てを知っているアイテムがある人生

今回お話を伺ったのは、2回目のゲストの加賀氏からご紹介いただいた公認会計士事務所の代表を務める髙田文浩氏。
髙田氏は、大手監査法人を経て、2016年に髙田文浩公認会計士事務所を設立。
ご自身の確固たる信念のもと、経営者目線で身近で信頼できる公認会計士・税理士として、現在では、東京・名古屋を始め、各地にクライアントを持つに至る。 そんな多忙な日々を送る髙田氏に本物とは一体何かを伺いました。

結局、手元に残るものはベーシックなもの

実は、私と髙田氏が出会ったのは、3年ほど前。ちょうど独立をされる直前のことでした。当時も今も変わらないことですが、仕事もファッションも、周囲に影響されることなく、ご自身の信念を常に持っているという印象でした。
そこで、今回まずは、流行りとそれに対するご自身の考えについて伺ってみました。
「流行りものを買ったことが無いのではなく、今まで手を出したことはたくさんあります。しかし、その経験から学んだのは、流行りで購入したものは、着なくなったりして、結局手元に残らない。そういうことをしてきたので、ベーシックで流行を追ってない物、例えばネイビー無地のスーツなど、少しお金をかけて少しだけ背伸びをして買ったアイテムのほうが長く着続けられるし、手元に残るのだなと思っている。」とのこと。 流行りを追ったことがないのではなく、実際流行りを踏まえて購入してきた経験があったから、今の考えがあるということ。
しかし、流行りにとは言いつつも、その時からすでに、ご自身の考えの軸がしっかりあったからこそ、流行りものを買っている状態を冷静に見て、一旦立ち止まり考えることができたのではないかと思います。

過去のインタビューの鎌田氏、加賀氏含め、今回の髙田氏にも共通することは、何かを考えるにあたり、その道筋がとてもシンプルであること。また、そこに行き着くまでには、多少の失敗などがあったとしても、それを踏まえて自分の中の考えや軸をしっかりと確立できる方であることも共通しているように思います。経験を単なる日々の出来事とするのではなく、次に繋げるきっかけとして捉えるためには、複雑に考えてしまうのではなく、シンプルに考えることが大切であり、そして、その考え方こそが結果的に本質に近づいていくのです。

愛着があるから長く着続けたい

では、ベーシックで流行りを追っていないアイテムを長く着続けるということに関して他にどのようなこだわりがあるのでしょうか?
「年間に何着も買うのではなく、一着でいいから、少し背伸びしていい物を買うほうが思い入れもできるし、愛着もわく。愛着があるからこそ長く着れるようにしたくなる。だから、ブラッシングして保管する等きちんとケアしていますよ。」とのこと。
そのようなお話をいただき自分を振り返ると、一着の洋服に対する思い入れがどれくらいあるのだろうかと自問自答してしまいます。
私自身、洋服が好きだから、たくさん買うと思っていたところもありましたが、そうではなく、思い入れのある服に愛情をかけて着続けることこそが本当の洋服好きである。そんな当たり前なことに改めて気がついている自分がいました。

愛着があるから長く着続けたい

買ったときはまだ完成してはいない

思い入れがあるから、愛着もわき、自然と長く着たくなる。それを丁寧にメンテナンスしながら大切に着続ける髙田氏。
愛着を持って丁寧にメンテナンスしながらも着続けていると、当然新品のときの状態とは変わっていくのが洋服や靴。
それについて
「靴ほど未完成品なものはないと思うんですよね。買ってから自分の足形に馴染んできて完成に近づいていく感覚。だいたい10年くらいでようやく熟成してきて、ワインでいうとようやく飲みごろみたいイメージです。ちなみに、今日履いてきた靴は、15年くらい履いている靴。決して高級なモノではないが、新品の靴がかっこいいかと言われると、私はあまりかっこいいと思わない。逆に少し履き込んだ感じってすごくいいなと。それもちゃんと手入れしてケアすると、やはり育っていく感じもするので余計にそう思います。スピーゴラなどのオーダー靴も作って、とてもいい靴だと思うが、まだ私の中では、主力打者じゃないかな。あと10年、だから50歳くらいになって、それをいい感じで履いている方がかっこいいと思う。」とのこと。
特に、靴は履き続けると新品の頃の表情はなくなってくるもの。履き皺も入るし、ソールも削れていく。しかし、それも踏まえて、愛用しながら自分なりの完成品に近づけていくことを楽しむ。その気持ちこそ、長く愛用するためには重要な要素なのだと思います。

そういう考えであるため、髙田氏のカッコいいと思う指標は決して値段ではなく、「ちゃんとその人に馴染んで、キレイにケアしてあること。少々アタリが出てきた感じでも、そのほうがずっとかっこいい。」というもの。高い=いいものではあるが、それ以上に大切にしているご自身の考えは、このインタビューを通して、決してブレることのないシンプルで確固たるものでした。

傷も思い出の一つになる

ここまでインタビューしてきて、今回もやはり、服に対する考え方を改めさせられることがとても多いと感じております。その中でも特に印象的だったのは、
「靴なんだから履けば当然傷もつく。しかし、それもまた思い出」
という話。
傷がつくことを極端に嫌うのは私だけではないはずですが、
それをも思い出として、傷も含めて愛用していく。

傷も思い出の一つになる

新品同様に常にキレイにとばかり思っていては、少しの傷や汚れで気分が下がってしまい、それが原因で、なんとなく愛情が減っていったことは、
皆さんもご経験あるのではないでしょうか?
私も、キレイにしていたのに傷をつけてしまった自分に対して、今まではなんとなくものを大切にしていない気分になっていました。
しかし、髙田氏の話を伺い気がついたのは、その考え自体がずれているということ。
ファッションを楽しむ・ファッションが好きな人とは、見た目だけかっこよくして、毎年の様に買い足す人ではなく、自分自身が選んで使っているものに対して愛着を持って使い続ける人のことだと強く感じました。

ネイビー無地のスーツを格好良く

今の考えに至るまでに、髙田氏はどんな経験をされてきたのか?ご自身も流行りのものを買ったこともあるとのことでしたが、そのあたりをもう一度伺ってみました。
「20代、30代は、さまよってもいいと思う。しかし、40歳過ぎたら、もうさまよっていたらダメですよね。40歳くらいから、ようやく固まってくる頃だと思うが、20代、30代での失敗を経験しないと、40歳以降かっこよくならないと思う。そんな経験があって、今思う、究極のかっこよさというのは、ネイビー無地のスーツで、白シャツ、ネイビー無地のタイ、黒のストレートチップ。それをどれだけかっこよく着れるか。だから、チーフもいらない。せっかくいいジャケットがあるのに、わざわざ挿す必要もない。そして、そんなシンプルな格好をどれだけかっこよく着こなせるかは、結局その人の今までの人生が大きく関係すると思う。やはり、物だけじゃなくて、着ている人含めてのかっこよさであって、同じ服を、10人に着せても、おそらく見え方は全然違う。それは、今まで歩んできた人生が現れてくるから。そこに行き着くまでの道のりは、長かったが、悪い事じゃなかったかもしれない。」
ネイビー無地のスーツに、白シャツ、ネイビーのタイ... 誰しもできそうなコーディネートを、人とは違うように見せられる。
それはまさにその人の内面があってのこと。

究極にシンプルにしていくと、シンプルがゆえに着飾り、ごまかすものが一切なくなる。そして、そこから見えてくるのは、その人の内面であり、その人の人生そのもの。だからこそ、同じ格好をしていても、魅力的に見える人とそうでない人がいるのだと思います。逆に誰かの真似をしていろんなコーディネートをしてみても、結局内面・人生が違うので完全に真似をすることはできないということでもあるのです。

年相応のかっこよさ

今後、歳を重ねることに対しても、無理することなく「年相応のかっこよさがあればいい」という髙田氏。洋服の経年変化を楽しむ姿勢と同じく、人生も、あくまでも自然体であり、変化を楽しむ姿勢と余裕すら感じます。私達自身も、洋服と同じようにいつまでも新品の状態ではいられない。それを理解し、うまく付き合い、むしろそれを楽しむ余裕をもつことがこれからの人生には大切だと教えられたように思います。

年相応のかっこよさ

人生をともに歩んだアイテム、それこそが本物

仕事もファッションも、周囲に影響されることなく、ご自身の信念を常に持っている髙田氏。
話を伺いながら、服を手に入れることばかりに執着し、純粋に服を吟味する、大切にしようとする気持ち自体が薄れてしまっていていることに気が付きました。それでは、最後に本物とは何かを改めて伺いました。
「100万のスーツを作って、1回しか着ませんでしたというのはかっこ悪い。そうではなく、大切にケアしながら着続けることが、かっこいいのではないかと思う。死ぬ時になって、何十年も人生をともに歩んだ、それこそ、自分の全てを知っているスーツがとなりにある方がかっこいいし、それこそが本物なのだと思う。」
愛着のある服を丁寧にケアしながら長く使う。それは単に長持ちさせることではなく、自分が選んだアイテムに愛情を注ぎ、人生をともに歩んでいくことなのだと思います。

今回もまたファッションと言うテーマを通して、いかに自分自身が見た目だけにこだわっていたのか、改めて考え直すきっかけになった気がします。
究極にシンプルな服を着たときに、どれだけカッコよく見えるのか?それは、それまでの人生がどれだけカッコよいものだったのかと同じ意味なのでしょう。
これからも本物を知る旅は続いていきます。

それではまた次回・・・

本物のアイテムを
紹介していただきました

オーダーのネイビースーツ

今回のインタビューで着用されているスーツは、セレクトショップでオーダーし、10年以上愛用されているもの。手入れの行き届いた状態で、体型補正せずに愛用されているとのことです。

オーダーのネイビースーツ

ロイドフットウェアのストレートチップシューズ

ロイドフットウェアのストレートチップシューズ

シンプルなストレートチップは、どのような履き方をしているのかが顕著に出てくるもの。15年近く愛用されているそうですが、ソールの張替えなどのメンテナンスを繰り返しながら、キレイに履き込まれていらっしゃいます。

クロムハーツの革小物

30代の頃から少しずつ買い足し、今ではほとんどの革小物がクロムハーツという髙田氏。厚手の革の重厚感と存在感、程よい経年変化は、新品では表現できないかっこよさがあります。

クロムハーツの革小物

髙田文浩公認会計士事務所 代表 髙田文浩氏

PROFILE

髙田文浩公認会計士事務所 代表 髙田文浩氏。
大手監査法人を経て、2016年に髙田文浩公認会計士事務所を設立。
ご自身の確固たる信念のもと、経営者目線で身近で信頼できる公認会計士・税理士として、現在では、東京・名古屋を始め、各地にクライアントを持つに至る。

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